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howToShootVol1

How to shoot vol.1 写真とカメラの仕組みについて

2021.07.24

今日はカメラの仕組みについてのお話です。 

  

最近はSNS等の写真メディアの普及やスマホカメラの高性能化によって日常的に写真に触れる機会も多くなり、本格的な写真を撮りたくなってカメラを買った・購入を検討している人も沢山いると思います。また、始めたばかりでなんとなく触っているけど、よく考えたらカメラの仕組みを理解していない方や、カメラの設定がよく分からないという方も多々いらっしゃることだと思います。

  

今回は、カメラがなぜ写真を写せるのか?という仕組みの解説をしていきます。次回は基本的なカメラの設定方法についてお話してきます。仕組みが分かれば、カメラを自由自在に扱えるようになり日常を美しく残していけることと思います。カメラ初心者の方も、今更人に聞けない、なんて方も、一緒に勉強していきましょう。

  

  

カメラが写真を生み出す仕組み

カメラには色々な種類がありますが、レンズを通して画像を記録するという原理はどのカメラも共通です。フィルムカメラもデジタルカメラも基本構造は一緒です。そして人間の目の仕組みともよく似ています。

 

カメラはレンズから対象物の光を取り込み「像」を作ります。

 

カメラのシャッターが開いたとき、取り込む光の量は「しぼりの開き具合」と「シャッターが開いている時間」で決まり、感光材料(光と反応する部品)と光が「反応」し、「像」を記録します。この時「感光材料に照射された像を画像に変換したもの」が「写真」です。感光材料は主にフィルムかセンサが使われます。

 

カメラの撮像の仕組みの模式図 

  

フィルムカメラなら、フィルムに当たった光がフィルム表面についている感光材(光に反応する物質)と反応し「像」のパターン(潜像と言います)を作り記録します。

  

デジタルカメラなら、センサに当たった光の情報を数値化して記録します。受光素子(フォトダイオード)が光に反応して電荷を貯えて、電荷の量を数値に変換してデジタル画像を生成します。

  

この時それぞれ、レンズを通った像は上下左右反対に感光材料に照射されます。なのでフィルムならプリント時に元の向きに直し、デジタルカメラならカメラ内部の処理で元の向きに画像を直して表示しています。

  

これらの詳しい原理は後程、別のページにて紹介しようと思います。 

  

  

おめめが像を取り込む様子の模式図

そして人間の目の場合、「水晶体」は「レンズ」に、「網膜」は「感光材料」に、「虹彩」は「しぼり」に相当します。瞳孔から目に光が入り、光の量が虹彩で調節され、水晶体でピントを調節し、網膜に焦点を結びます。網膜に照射された光が視神経を通じて信号として脳に伝達され、像として認識します。カメラと同様に像が上下左右逆に取り込まれるので、その向きは脳内で補正しています。

  

(おまけ:光を像として認識する場所は脳の中でも「視覚皮質」と呼ばれ、後頭部に位置します。私たちは「光」を目から取り込むのですが、実際に「像の認識」は後頭部で行われるので、本当は「目」ではなく「後頭部」で世界を見て、認識していると言った方が正しいのかもしれません。)

   

撮影に必要なカメラの部品

カメラが撮影するために必要なパーツは3つあり、以下のうちどれか1つでも欠けると写真ができません。

  

・レンズ 

 光を集めて像を作る部品。

 

・感光材料(センサまたはフィルム)

 光を感じ取って記録する部品。記録した情報を元に「画像」を生む素になります。

  

・シャッターとしぼり

 感光材料に光を当てる(露光するといいます)ときに開く部品。取り込む光の量を調節する役目を持つ。

 

写真の出来を決める3つのパラメータ

私たちがカメラの撮影設定として行う項目は主に3つあり、それらのパラメータの兼ね合いで取り込む光の量=写真の明るさを調整します。

 

「F値(しぼり)」

 その瞬間に取り込まれる光の量を調節する。人間で言う瞳の役割。

 

「シャッタースピード(露光時間)」

どれくらいの時間で光を取り込むのかを決める。人間で言うまばたき。

 

「ISO感度」 

感光材料が光を捉える能力で、どの程度まで弱い光を「記録」できるかの指標。

  

これら3つの項目で「露出」を決定します。

写真の明るさを決める「露出」

「露出」とは写真を撮るときに取り込まれる光の量のことを指します。光の量は、「しぼり」と「シャッタースピード(シャッター速度とも)」で決定され、それに「ISO感度」を組み合わせた結果、写真の明るさが決まります。そしてその明るさを調整することを「露出補正」といいます。露出補正と3つのパラメータの関係については次回の記事で詳しく見ていこうと思います。

カメラのミラーとシャッター、およびにセンサ

後程解説いたしますがでカメラには大きく分けて「レフ機」と「ミラーレス機」が存在します。ミラーレス機にはミラーがありません。撮影時に撮影ボタンを押すと、ミラーが上に退避し、シャッターが開き、センサ(フィルムカメラの場合はフィルム)が露出します。この時センサ(フィルム)に光が当たり、撮影時の情報を記録します。

 

これは人の「まばたき」のようなもので、目を開いている=シャッターを開けている時間が長いほど光を取り込む量が多くなるので、写真が明るくなります。

カメラのしぼり

カメラレンズには上で紹介した「しぼり」と言われるユニットが組み込まれています。写真のように、しぼりが開いているほど多くの光を時間当たりに取り込むことができます。このしぼりがどれくらい開いているかを表すパラメータは「F値」と言われ、F値が小さいほどしぼりが開いていて、一度に多くの光を取り込め、F値が大きいほどしぼりが閉じているので一度に取り込む光の量は少なくなります。

  

つまり、「しぼり」で「瞬間的に取り込める光の量」を決め、「シャッタースピード(シャッター速度)」で「どれくらいの時間光を取り込む」のかを決定します。その光の量の総和に対し、その「光のエネルギーをどれほど増幅させるのか」を決定するのがが「ISO感度」です。 

 

ISO感度が小さいほど、光を弱く捉え、ISO感度が高いほど光を増幅し強く捉えます。「取り込んだ光を何倍に増幅するか」を決めるパラメータです。しぼりとシャッタースピードが同じ場合、ISO感度が高いほど写真は明るく仕上がります。

 

「レフ機」と「ミラーレス機」

一眼レフカメラが従来主流のカメラでしたが、近年は技術力の向上で「ミラーレス機」が大活躍しています。「レフ機」と「ミラーレス機」ってどう違うの?という質問をいただくことがありますが、簡単に言うと「カメラの中にミラーとプリズムがあるかないか」の違いです。

 

一眼レフカメラは、カメラの中にある鏡(ミラー、レフとも)にレンズが捉えた景色をプリズムに反射させて「光学ファインダー」を通しその景色を見ます。一方、ミラーレスカメラの場合ミラーがなく、常時センサに光を照射させています。ミラーレス機の場合カメラ背面にあるモニターか、光学ファインダーに当たる部分に搭載された小型のモニター「電子ビューファインダー」で景色を確認します。

撮影前のレフ機

 

露光中のレフ機

レフ機は上の図のように、内部にミラーを搭載しています。レンズから取り込んだ光をミラーとプリズムで屈折させてファインダーで見ているわけですね。そしてシャッターを切るとミラーが持ち上がり、センサが露出するのです。

ミラーレス機の構造

 

ミラーレス機には前述したとおりミラーがありません。なので常にセンサーに光が当たっており、撮影するときにだけまばたきのようにシャッターが開閉します。

 

しばしば、レフ機とミラーレス機どちらを買うべきか、というお話を耳にします。似て非なるモノなのでどちらが優れているか?ではなく目的に合わせて選びましょう。

 

レフ機の場合、レンズから取り込んだ像をそのまま見れるので、実際の風景をリアルタイムで見ることができますが、電子ファインダーのように「撮影した後の仕上がり」を確認することができません。また、機械的にミラーを動かさないといけないのでそれを許容するスペースが必要で小型化が難しく、高速連射の撮影がしにくいという点もあります。

 

ミラーレス機の場合、センサが取り込んだ映像を見ることになりますので、実際の風景ではないものの撮影後の出来を確認しながら撮影できます。また、光が映像に変わるまでのごく短い若干の遅延があります(処理速度がかなり速いのでよほどスピードを求められる状況でない限り気になりませんが)。プリズムも必要なく、ミラーの退避行動がないため、ボディが小さくすみシャッターを切ってからの反応が早く、連続撮影にも強いという利点があります。しかし常にセンサーを動かしているのでその分エネルギーを消耗するためバッテリーの持ちが短いという欠点もあります。

 

今後の技術発展によってミラーレスは多くの欠点を克服していきますので、ものすごい性能のカメラはミラーレスから出ることが多くなるでしょうが、現状だとまだ双方一長一短で、自身が何を重視するか、何を撮るか、用途に合わせて使うカメラを選択する、という考え方で選ぶことになると思います。

 

ここまでのまとめ

写真を撮るためにカメラには「レンズ」「感光材料」「シャッターとしぼり」が必要で、レンズから取り込んだ光の像を感光材料に照射することで画像情報を記録している。

 

写真の明るさ=「露出」は「しぼり」「シャッタースピード」「ISO感度」で決定される。

 

「レフ機」と「ミラーレス機」は内部にミラーとプリズムがあるかないかが違い、現状は一長一短で用途に分けて選ぶといい。

 

今日は、基本的なカメラの撮像原理についてお話ししました。次回は、「露出」とそれを調整する「露出補正」について、3つのパラメータがどのように相互に関係を及ぼすのか、ではどのように設定をすればいいのか、について見ていきましょう。

 

カメラを扱うにあたって、しっかりと基礎的な知識を持ち合わせていれば道具を扱う方法を素早く取得できます。少しとっつきにくいところもあるかもしれませんが、少しずつ理解していきましょう!また、分かりにくいところがあれば加筆・修正・補足ページの作製も行いますので気軽にご指摘下さい。

 

へばな!

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