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秋田県 スタジアムの建設について考えよう!①

2021.07.11

おはようございもん。

 

今日はローカルのホットな話題について考えてみましょう。いささか急ですが、本日から数日にわたり秋田県のスタジアム建設に関する私の考察を書いていきます。

 

〇今日の目次

・はじめに

          

●第1部 実際の数字を見ていこう!

・スタジアム設置目的

・設計費と他スタジアムとの比較

・参考資料

      

〇次回以降の予定内容

・維持費関係について

・収支について

●第2部 どうすれば実現できるか考えよう!

・人口減少の課題と「雇用」・「教育」・「娯楽」の3つの機会に関する私的見解

・過去の、夕張市の財政破綻から考える

・どうすれば実現できるのか?

・私たち一市民にできることについて

・終わりに

 

はじめに

筆者は今先月末に都内での仕事を離れ秋田県に帰ってきましたが、近日の秋田県内では(といっても出歩いていないのでほぼSNSとニュース、新聞ですが)スタジアム建設についての話題をよく見聞きします。

 

地元プロサッカーチームの更なる活躍を目指してJ2ライセンスの取得と、県民の健康増進や次世代への楽しみの場の提供・魅力的なまちづくりの視点からスタジアム整備に肯定的な意見が多く寄せられている一方で、2021年7月7日の秋田魁新聞の電子版記事では、県知事より、県・市で建設・整備を丸抱えすることは難しい」との見解がなされました。

 

>> 秋田魁新聞 知事「県、市で丸抱え無理」 スタジアム整備でブラウ社長に

  

地元チームや住民からは熱い要望があったモノの、現状では厳しいと発表され気を落とした方も多いことでしょう。

 

一方で、行政もスタジアムの構想自体には好意的に考えてくれているのではと思います。秋田県のホームページ内に公開されているレポートを見ると、多くの方が実現に向けて真剣に調査をして下さっていたことが分かりました。

 

>> 秋田県ホームページ 美のあきたネット (「スタジアム」でサイト内検索)

 

ニュースでの見解を受け、建設費・維持費に関して様々な意見が出ていましたが論点は

 

「スタジアム建設の費用は誰が負担するのか?」

 

ということです。

 

民間の組織が持つのか?それとも自治体と住民で負担するのか?チームとしては県・市の自治体に建設をしてほしいとの要望を受けた上で、行政側は難しいと回答されたのでしたね。しかしながら行政側もスタジアムがある町の構想施策について議論していたデータもあり、お金の問題さえ解決すれば肯定的に取り組んでくれる可能性が高そうです。

  

ニュースや新聞では時間やスペースが限られているため、私たちが目にするメディアだけでは何故そう回答がされたのか?を知り、考えるには情報が少し不足しています。聞いた結果を感覚だけで判断するのはよくないと思いましたので、今回はどれくらいお金がかかることなのかを、どうすれば実現できるようになるのかを、県が公開している資料を基に考察してみました。

 

私個人の結論は

 

「2040年以降になっても黒字を出し続ける建物」ならば自治体からの金銭的支援に全面的に賛成できますが、そうでないなら難しいんじゃないかな?といったところです。一方で、「できる・できない」の2つの視点だけではなく、「どうすればできるか?」の第3の視点も取り入れて考えてみました。

 

何故そう結論付けたのか、ならばどうすれば実現できるようになるのか、公開されているデータをもとに1つずつ考察していきます。これはあくまでも個人的な考えですので、各団体・組織とは一切関係がないことをご承知ください。

 

2019年1月 秋田駅前

第1部 実際の数字を見ていこう!

スタジアム設置目的

県が公開している、「観 光 文 化 ス ポ ー ツ 部」の「平成30年第1回臨時会 産業観光委員会 提出資料 」によると、その設置目的、スタジアム整備の必要性、コンセプトは以下になります。

 

【設置目的】

地元プロサッカーチームの活躍は、県民の一体感の 醸成が図られるとともに、交流人口の拡大による地域 活性化にも資することから、J2ライセンスを満たす サッカースタジアムの整備に向けた協議の場を設置 し、地域の特性に応じたスタジアム整備のあり方を検 討する。

 

【スタジアム整備の必要性】

スタジアム整備のあり方検討委員会では、スポーツ の振興はもとより、本県が少子高齢化や人口流出など の課題を抱える中、県民の健康増進やこれからの秋田 を担う若い世代への楽しみの場の提供、魅力的なまち づくりなどの視点から、スタジアムの整備には肯定的 な意見が多く出された。 一方、財源確保の課題があることや、スタジアムは 機運で造るものではなく整備の必要性を明確にすべ きであり、スタジアムをどう活用していくのかという こととセットで議論を進める必要があるとする慎重 な意見も出された。 検討委員会としては、最終的に、スタジアムの整備 は、地域活性化に資するほか、子どもから高齢者まで 幅広く集うにぎわいの拠点施設としての役割も期待 できることから、秋田の課題解決にも結び付くスタジ アムを整備することが望ましいとする意見の一致を 確認し、次の5つのコンセプトを基に、機能や建設場 所などについての検討を行うこととした。

 

【コンセプト】

1.地域に活力をもたらすスタジアム

2.にぎわいを生むスタジアム

3.多世代が集うスタジアム

4.利用満足度の高いスタジアム

5.オリジナルティあふれるスタジアム

「平成30年第1回臨時会 産業観光委員会 提出資料 」 より引用

 

自治体としては県民に娯楽関連で県の魅力を提供したい、スポーツを中心に健康的な生活を築き、新しいコミュニティを創成したいという目的が、チームとしてJ2基準を満たすホームを獲得し更なる躍進を実現して県内に活気を与えたい、といった目的があるようです。

 

一住民としても、文化的で健康的な素晴らしい目的だなと思います。

では、続きまして、その建設費と維持費を見てみましょう。

2019年1月 秋田駅前

 

建設費と他スタジアムとの比較

2021年7月10日現在最新の候補地として外旭川が有望、とのことで外旭川スタジアムに関する資料を探したのですが、見つからなかったので、平成31年2月の「新スタジアム整備構想策定協議会報告書」を見てみましょう!

 

J2基準として1万人収容スタジアムの建設が望まれ、

 

J1基準として1.5万人収容規模のスタジオの建設が望まれているようです。

 

旧候補地の「八橋運動公園」と「秋田プライウッド株式会社所有地」で見込まれていた建設費は以下になるそうです。

 

①八橋運動公園

・1万人収容スタジアム    約145億円

・1.5万人収容スタジアム 約168億円

 

②プライウッド株式会社所有地

・1万人収容スタジアム    約143億円

・1.5万人収容スタジアム 約165億円

美の国あきたネット 平成31年第1回定例会(2月議会) 産業観光委員会・分科会提出資料(観光文化スポーツ部関係) より引用 出展元 https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/30924 

 

ん~やっぱり大規模な公共事業はお金がかかりますね。普段扱わない範囲のお金なのでいまいちピンときませんので、他サッカースタジアムと比較してみましょう。

 

・札幌ドーム 

 チーム コンサドーレ札幌(J1)

 施設管理者/管理形態 (株)札幌ドーム/指定管理

 所有者/人口  札幌市/1.952千人

 事業費 422億円

 収容能力41,484席

 

・茨城県立カシマサッカースタジアム 

 チーム 鹿島アントラーズ(J1)

 施設管理者/管理形態  (株)鹿島アントラーズ・エフシー/指定管理

 所有者/人口  茨城県/2.917千人

 事業費 267億円 (建設74億、改修193億円)

 収容能力40,301席

 

・市立吹田サッカースタジアム 

 チーム ガンバ大阪(J1)

 施設管理者/管理形態 (株)ガンバ大阪/指定管理

 所有者/人口  吹田市/372千人

 事業費 128億円

 収容能力40,000席

 

・長野Uスタジアム

 チーム/長野パルセイロ(J3)

 施設管理者/管理形態 南長野スポーツマネジメント共同企業体/指定管理

 人口  長野市/378千人

 事業費 84億円 (建設8億、改修76億円)

 収容能力15,491席

 

・あきぎんスタジアム

 チーム/ブラウブリッツ秋田(J3)

 施設管理者/管理形態 秋田市/直営

 人口  秋田市/378千人

 事業費 改修10億円

 収容能力4,992席

 

情報源、国内の主なサッカースタジアムの概要

 

新スタジアムの構想に、冬場も使える可動式の屋根や複合施設の組込みもあるので、他のスタジアムと比べても高すぎる値段ではないかな?という気もします。収容規模だけを見るともっと安くはできそうですが、諸々の経済波及や設立の思想を考慮すると収容能力だけクリアすればいいわけではなさそうなので、この価格が相場と言えるかはもう少し調査が必要ですね。

 

次回は施設の維持費について、そして余力があったら収支について、実際に公表されている情報をもとに書いていこうと思います!県が公表している予算なんかと照らし合わせながら、それって高いの?安いの?という規模感も一緒にイメージしていきましょう。

 

本日はこの辺で失礼します。

 

へばな!

 

次の記事 >> 秋田県 スタジアム建設について考えよう!②「雇用」「教育」「娯楽」の三位一体!

2018年 ナマハゲ

参考文献・出展元

秋田魁新聞 知事「県、市で丸抱え無理」 スタジアム整備でブラウ社長に

秋田県ホームページ 美のあきたネット (「スタジアム」でサイト内検索)

「平成30年第1回臨時会 産業観光委員会 提出資料 」

「新スタジアム整備構想策定協議会報告書」

国内の主なサッカースタジアムの概要

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