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オリンピック

開会式の辞任・解任を見てオリンピックの「理念」と「差別」について考える

2021.07.23

 

おはようございもん。

 

オリンピックの開会式も無事に執り行われ、いよいよ始まった、って感じがしますね。開会式を直前にして、立て続けに関係者の辞任・解任が起こりどうなることか、と心配の声が上がっておりました見事にまとまっていて多くの関係者の方々がギリギリまで力を尽くしてくれていたのが伝わりますね。

 

 

今日は、開会式の委員会の中から辞任・解任になってしまった方々の発言について書いていきます。

 

「女性の容姿侮辱」発言

 

「障がいのある同級生虐待」の告白

 

「ホロコースト」を扱う不適切な表現

 

それぞれが差別駅な表現であることは理解できると思いますが、それってどのレベルでアウトな事柄なのでしょうか?開会式の直前で関係者を辞任・解任しなければならないほど重要な事だったのか?それをオリンピックの理念と合わせてみていきましょう。

 

オリンピック・パラリンピックの理念

どうして差別的表現がこれほど大きく取り上げられているのか?それはオリンピックそのものの理念を知ることで理解して頂けると思います。まずは見てみましょう。

 

1896年、ギリシャのアテネで第一回が開催された近代オリンピック競技会は、その理念となる「オリンピズム」の実現に向けて、歴史を刻んできました。IOC(国際オリンピック委員会)が掲げる「オリンピック憲章」という近代オリんピックに関する規約があります。

 

IOCのオリンピック憲章によるとオリンピズムは「肉体と意志と知性の資質を高揚させ、均衡のとれた全人のなかにこれを結合させることを目ざす人生哲学」であり「オリンピズムが求めるのは、文化や教育とスポーツを一体にし、努力のうちに見出されるよろこび、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などをもとにした生き方の創造である。」と定められています。

 

その目的は「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」と「人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励すること」とされています。

 

そして、オリンピック・ムーブメントは「いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあうオリンピック精神に基づいて行なわれるスポーツを通して青少年を教育することにより、平和でよりよい世界をつくることに貢献すること」であるとあります。つまり「人間の尊厳の保持に重きを置き平和を推進するためにスポーツを役立てよう」というのがオリンピックの根底にある理念なわけですよね。

 

IOCは崇高な理想を掲げ、その目的の達成に努めています。そしてオリンピックに関わるということは「世界で最も崇高で強い思想の団体」と仕事をするということです。世界中で一丸となって行う平和を願うムーブメントの中に、一片たりとも差別的な意志が混ざることは決して許されないであろう責任が非常に重い仕事になるわけです。

 

関係者の発言だけでなく”日本人”の認識の問題

今回の件でポイントに感じていることとして、各関係者の発言だけではなく、「何が問題なのかが分からない」集団や組織に根本的な問題があるのではないかと思います。

 

「女性の容姿侮辱発言」に関しては、これは分かりやすい差別ですよね。今となれば一発アウトな案件ですが、少し前なら、女性蔑視が当たり前に行われていましたが。

 

次に「障がいのある同級生への暴行の告白」と、「ホロコーストに関する不適切な表現」についてです。この2つに関しては過去のメディアから問題の箇所が発掘され明らかになりましたね。

  

勿論失言をしたクリエイター自身にとても大きな問題があるのですが、それを出版したメディアとそれを面白いと感じた消費者にも問題があるのです。

 

障がい者の虐待に関する告白は雑誌で、ホロコーストに関わる表現はビデオでそれぞれ出版されていました。今あるyoutubeといった誰でも個人で発信できるメディアとは違い、それら雑誌とビデオはそれを出版している会社があるわけですね。ならば、その作品が世に出る前に、まともな出版社ならその内容を確認しているはずですが、その確認段階でそれぞれの内容に対して「その表現はまずいですよ」と言う人・言える人がいなかったこと。これが問題です。

 

それはつまり、差別として扱われるものを平気で出版する会社があって、それを平気で購入し消費する国民がいて、ということは日本はレイシズムを面白がる「そういう国」として扱われてもおかしくないと言えますね。明らかにオリンピックの理念に反しているので、大きな問題として取り上げられたのだと思います。

 

(しかしホロコーストを扱ってしまった小林さんは、のちに「人を傷つけない笑い」を追求するようになり、収益の一部を赤十字に寄付するなど慈善活動もされています。世間の風当たりは厳しいですが、このことが認知されて今やレイシズムと離れた位置にいることを後に理解してもらえたらいいなと思います。個人的に小林さんのファンなところもあり、開会式も小林さんの演出らしきところが多々見られ唸っておりました。)

 

海外から指摘される日本の差別

日本は弱者や少数派に差別的な国とみられることが少なくありません。

 

・女性の社会進出率の低さであったり、性犯罪の泣き寝入りなどが

 

・外国人に対する差別として技能実習生の低賃金労働など

 

・純日本人以外の日本人への差別

 

先進国での女性の社会進出率の低さは下から数えた方が早い方で、性犯罪の証言が法廷で認められない、被害者がなぜかセカンドレイプを受けるといったことが世界的に女性軽視の国として見られる要因となっているようです。

 

優秀な頭脳と技術を持つ技能実習生の低賃金労働も問題視されております。近年の投資家や購買者は企業の理念や行いを見て投資先や購買先を決めるムーブメントが海外では進んでいるので、そのうち不当な低賃金で外国人労働者を働かせている日本の製品の不買運動などが起こることもあり得るのではないかと思っています。

 

純日本人以外の日本人への差別は、親族に所謂外国出身の血縁者を持つ人が感じたことは多いのではないでしょうか。オリンピックに関連する選手ですと女子テニスの大阪選手や、陸上のサニブラウン選手などへの差別発言が目立ちます。肌の色や体つきなどから日本人じゃないといった発言を時々目にします。また、日本人以外のアジア人への差別を、日本人が優れているという思想の方もいて、なんだか全体主義的な思想があるなぁと感じます。

それらのような側面があるため厳しめの検閲が入っていたのではないかと個人的に推測しています。

 

関係者がとるべきであった対応は

委員会の対応として、作曲者の小山田さんを辞任に、演出の小林さんを解任にしたことの対応の違いも1つ問題でした。委員会は一度、小山田さんのことを擁護してしまったこととで差別をかばった扱いになったのがまずかった。その後も辞任ではなく、障がい者虐待の過去が発覚した時点で、解任にするべきでした。小林さんの件は、その時の対応で学んだのか解任ということで話が進みました。解任させるのって民間の会社で言う「会社都合」の退職のようなもので、辞任の場合だと「自己都合退職」のようなところです。辞任ということは、組織が責任を取っていない、とみらるんですよね。

 

結論として、多くの関係者がオリンピックの理念を理解しないまま進めてしまったことが問題であったと思います。近年のオリンピックも、商業的なムーブメントになりつつあると指摘されておりました。今こそ「人間の尊厳保持と平和の実現をスポーツで実現する」という理念にに立ち返るよう一人一人が考えるときが来たのかもしれませんね。

 

オリンピックが目指しているものは何か、その中で日本がどのような役割を果たし、どのような日本を世界に見せたかったのか、根本的な理念が欠如していたために起こったことなのかなと思います。これって、資本主義に走りすぎた会社が利益を上げることだけに躍起になって、その事業が社会にどう役立つのか、どのような役割を果たすのか、を見失っている企業とも根本的に似ているところがあるよう感じます。

 

政府や委員会がもっと、オリンピックの理念について理解した上で、見せたい日本のテーマを決めて、妥当な候補者を集め、その経歴を精査し、判断するといった準備が十分だったら上手くいったかもしれませんね。

 

トラブルは多々あったようですが開会式はお見事でした。今は各選手がベストを果たせるようにと応援をするだけです。個人的には男子4×100mリレーで、日本がジャマイカに勝ち金メダルを取るところが見たいですね!

 

頑張れ選手たち~

 

へばな~

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