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スポーツと気候のサムネ

暑すぎる夏!「甲子園の開催時期」について考えてみよう!「スポーツ」と「気候」について①

2021.07.22

おはようございもん。

 

今日はふと思ったことについてです。

 

梅雨も明けて急に「夏ッ!!」って感じの天気になってきましたよね。連日日本列島各所で猛暑を記録する地区が多く、先日北海道の札幌では21年ぶりに猛暑日を記録しなんと37.4℃という気温をたたき出しました。

 

お外大好きッ!な私も、最近は日中は室内に籠りクーラーが効いた部屋で快適に過ごしています。ちょっと用事で外に出るだけでも暑さで気が滅入りそうになるくらいにはクーラーに飼いならされました。この炎天下の中で外でお仕事をされている方々を見ると頭が上がりません。道行く人を見ては熱中症には気を付けてと心配になります。

 

そして最近高校野球の甲子園予選が始まりましたね。毎年数々のドラマが生まれる日本の夏の風物詩、今年も球児たちが熱い試合を繰り広げており、応援するにもどのチームと限定できず、皆ベストを尽くして頑張って!とエールを送りたくなります。

 

さて、本日も高校野球の中継を見ていて、ふと、「こんなに暑いんだし甲子園も快適な気温の時期にやればよくね?」なんて思いました。今回の記事の私の考えの根幹は、「選手が最大限練習の成果を発揮し最高のパフォーマンスを発揮をするには何がベストぁ?」ということです。

  

いやいや、甲子園と言えば夏でしょ!という意見も沢山あると思うのですが、選手ファーストで考えれば別の季節がベストだよなぁ、、、っと思うので何故そう思うのか今日は書いていきましょう。

  

開催時期を変えろ!と声を上げているわけではなく、なんとなく快適な時期の方がいいんじゃない~?と思いついた理由と根拠を書いていくだけですので、甲子園は夏じゃないと!な方々も力を抜いて読んでいただけたらと思います。

 

 

もくじ

     

①気温とパフォーマンスの関係

   

②140年間の気温の推移と未来予想

 

③結局いつがいいのか考える

 

④プチ提案:ちょっとずづ開催時期をずらしていくのは?

 

⑤外伝:オリンピックで感じた権利とスポーツマンシップの乖離について

 

今日は①と②について書いていきます!!

 

①気温とパフォーマンスの関係

気温とパフォーマンスの関係について、JAPAN SPORTさんが公開していた「競技者のための暑熱対策ガイドブック」を見てあれこれ考えてみました。以下、上記ページにて公開されていたグラフを元に考えを示していきます!

 

環境温度とパフォーマンス

環境温の違いが運動継続時間に与える影響

上記のグラフは運動を行う際の環境温度(気温)の違いが、運動の継続時間に与える影響を示しています。グラフに示すとおり、環境温度が高い方が環境温度が低い場合と比較して、運動の継続時間が大幅に短くなることが分かります。20℃の環境では自転車「エルゴメータ運動を疲労困憊まで行った際およそ60分の運動継続時間が確認されましたが、40℃環境では30分に満たないという結果になりました。およそ半分程度まで運動継続時間が低下していることが分かります。 

 

パフォーマンスと体温

試合やトレーニングの前にウォーミングアップを行うと思います。ウォーミングアップには筋肉の温度を高めたり酸素の利用効率を高める狙いがあり、パフォーマンス発揮をより効率的に行うことができるようになります。

 

一方、以下の図は同じ温度条件での身体内部の温度(直腸温)と筋温の温度を見ると、双方ともに環境温度が低い場合と比較して環境温度が高い方が運動継続時間が短くなっていることが分かります。

 

環境音における運動終了時の直腸温と筋温

つまり、運動時の適度な体温上昇は運動の能力を高めますがその上昇が過度な場合に運動能力の低下を引き起こす要因になります。特に深部体温の過度な上昇は、暑熱環境下における持久性運動パフォーマンスの低下に関わっていることが考えられます。

 

高温環境下でのパフォーマンスに関して

ここまでの情報を整理すると、

        

・暑熱環境下での持久性運動パフォーマンスは低下する。

   

・深部体温が過度に上昇するとパフォーマンスの低下を招く

   

・暑熱環境は競技時間の長い種目にネガティブな影響を与え、競技時間の身近種目ではポジティブに働くこともある

   

つまり、陸上の短距離走や跳躍、投擲の競技などには好ましい影響が起こる可能性があるものの、マラソンやサッカーなど長時間の運動を求められる種目ではネガティブな影響が働くことが考えられます。

  

そして本題に上がっている野球ですが、高校野球の試合時間の平均は2時間から2時間半となっています。野球は9回まであるので、延長戦を加味しなければ単純計算で1回の表裏にかかる平均時間は14分ほど。そして攻守があるので、それぞれの平均イニング時間はおよそ7分ほどということになります。野球は攻守の交代があるため、直射日光を避ける時間は確保できるものの、総計1時間以上は高温多湿の環境に晒されているため、30度以上の環境では活動時間がぎりぎりであることが分かります。

 

特に負担が大きいのが投手で、守備の時間中に投げ続けるため、1人で投げきる場合7分間のインターバルで瞬発力が高い運動を9セット求められるため非常に負担がかかっていることも分かります。近年大活躍を見せた秋田県の金足農業高校の吉田選手は予選から決勝戦まで投げ続けた相当な猛者であったようです。

 

②140年間の気温の推移と未来予想

 

日本において気象用語で、30℃以上の日を「夏日」、35℃以上の日を「真夏日」、38℃以上の日を「猛暑日」といいます。暑さ指数は、気温・湿度・輻射熱をそれぞれ1:7:2の割合で算出します。 この暑さ指数(WBGT)が28℃以上だと、熱中症の危険が高まります。28度を超える環境下では健康を損なう環境であり、無理は禁物な状況にあるということが考えられますね。

 

「ここ数年で日本は暑くなった」という声を私の身近でも聞きますし、私もそうなっていると感じておりますので実際に調べてみました。気象庁が公開している1875~2020年の、145年間の東京の日最高気温の月平均値をグラフにしてみました。青い折れ線が8月が最高気温月平均の値で、オレンジの折れ線が8月の最高気温月平均の5年ごとの平均値です(移動平均)。そして青い波線が直線にした近似式になります。

 

東京の8月の日最高気温の月平均値

  

近似直線をみると、140年間で1℃平均最高気温が上がっていますね。これだけでみると大きい上昇には見えませんが、ばらつきがある実際の数値を見ると、2020年は月平均で34.1℃という記録をたたき出しています。1月通してほぼ真夏日です。1975~1985年頃の気温の平均を見るとおよそ30.5℃で、2020年の数値はばらつきの値であるものの50年前の平均値より+3.6℃も高いことになります。甲子園が始まった1915年の8月の最高気温の平均は29.7℃で(この年は冷夏だったのですが)、この105年で4.4℃と考えると無視できないレベルの気温上昇です。

  

気象庁の 温暖化の観測・予測及び得今日評価統合レポート「日本の気候変動とその影響」を見てみると、日本では21世紀末までに約2.1~4.0℃上昇と予測がされています。これは平均気温であるので単純に8月の気温に上乗せすることができませんが、もしこのまま2~4℃を上乗せしたら月平均で猛暑日の気温になる未来も遠くないのかもしれませんね。

日本の平均気温の将来予測結果.PNG

同サイトでは日本の降水量の予測を始めとする気候変動の影響について記載されています。近年大雨の被害が増えていますがそれもその影響です。興味をお持ちの方は上記のリンクより資料を見て頂けるとより理解できることと思います。

 

気温の変化はいままでゆっくりと進んでいましたが、世界が工業化して以来その変化も足早になってきました。100年以上前に決まった文化を、今の時代にそのまま適応し続けるのは難しいのではと感じます。

 

では次回は、これまでのことを踏まえて、実際にいつがいいのか?考えていきましょう!

 

本日も見て下さりありがとうございました。

 

へばな!

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