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入山料サムネ

「入山料」について考えよう!「電子決済」と「トークンエコノミー」の巻①

2021.07.21

諸君、私は山が好きだ。

  

諸君、私は山が好きだ。

  

諸君、私は山が大好きだ。

  

山小屋で夜を超え寒空の下で朝焼けを拝むのが好きだ。雪渓で足を滑らせおしりで斜面を滑り下りる時など心がおどる。

 

雪焼けした男たちが操るスノーボードが山中の雪を舞い上げるのが好きだ。尾を引いて煌めく夜空の星々から飛び出してきた流星をカメラに収めた時など胸がすくような気持だった

 

トレッキングポールを揃えた仲間たちと稜線を縦走するのが好きだ。夜登山初のビギナーが天蓋を返したような無数の星々の前にため息を漏らす様など感動すら覚える

 

限界を迎えつつある登山者が力を振り絞り崖を這い上がる様などはもうたまらない。弱音を吐きそうな時も後少しと切り替え歌声を上げ急峻な登山道をガシガシと登っていくのも最高だ。

 

重いザックを背負い泥と汗にまみれて山頂まで登り切りアウトドア用小型バーナーで作ったカップラーメンを盛大な景色を眺めながらすすった時など絶頂すら覚える。 

 

諸君 私は山を 美しい山を望んでいる

 

諸君 私と同様山を愛する友人諸君

 

君たちは一体山に何を望んでいる?

 

更なる深い自然での休息を望むか?

 

情け容赦のない過酷な登山を望むか?

 

豪華絢爛な息をのむような絶景を望むか?

 

よろしい!ならば入山料の支払いだ!

剣山山頂の雲海 2019年8月 徳島

はじめに

本日は近年議論の対象となりつつある「入山料」について、どれくらいお金がかかるのか?を確認し、任意に入山料を徴収する場合どうすれば登山者が気持ちよく払ってくれるのか?それを電子マネーや仮想通貨で支払うシステムの導入によって解決できないか?と私の考えを書いていきます。

 

今日は山にかかる費用の一部と、入山料の議論について、そして電子決済を用いたシステムの提案について。次回はその電子決済システム提案の理由や発展した用途についてです。

   

誰しも生涯のうちに一度くらい山に登ったことがあると思います。体力を使うアクティビティなのでやってみると結構疲れるし、キツイ山だと「もう2度と来るか!」なんて思うこともありますよね(笑)

 

しかし、山頂から望む景色の美しさやその達成感でハマってしまう人もいて、私もその一人です。どんなに疲れる経験だとしてもまた行ってしまうんですよね。人間には「経験する自己」と「物語る自己(記憶する自己)」の2面があり、終わりが良ければ大変な事でも良い経験に捉える傾向があるのですが、正にそれでしょうか。

 

それはさておき山の話に入りましょう。

 

整備されている山は維持費がかかっている

登山をしていると気付くのですが、日本の山の多くは登山者用に整備されているところが多く、道中に石の階段があったり、急な斜面にはロープが添えられていたり、山小屋には水やストーブが置いてあったりと影から支えてくれている人たちがいるのが分かります。そして近年登山者数が増え、遭難者の救助にかかる費用も上昇傾向です。

 

やはり、利用環境を整え、維持管理していくにはお金がかかりますよね。その土地の状況にもよりますが、山域にあるがゆえに登山道やトイレなどの利用環境整備の困難度が高く、かかる経費も高額になることが想定できます。

 

  

駒ヶ岳 2019年10月 秋田県仙北市

山の維持費:長野県の例を見る

山の維持費について、長野県の件ホームページが「県税」のページで情報を公開していたので、そちらをもとにどれくらいのお金がかかっているのかを見てみましょう。

 

長野県 県ホームページ

同上サイト 県税について 

同上ページ資料 山岳及び高原に係る費用の利用者負担のあり方についての検討結果 報告書

 

こちらは山岳・高原に関する費用負担の現状について、上記報告書より抜粋した維持費の表になります。

 

長野県の山の維持費予算

長野県における山岳・高原にかかる費用を大まかに分類すれば

 

①山岳遭難防止のための経費 

 

②山岳遭難救助活動のための経費

 

③山岳環境保全のための経費 

   

に分けられます。

 

少し前のものとなりますが、平成25年度の同県の予算におけるそれぞれの状況は上の資料の通りです。

 

およそ6億3900万円もの経費が掛かっているようです。うち26.5%は国庫支出金から捻出されているものの、その約7割が県負担分となっており、地方の財源に重くのしかかっているのが現状です。登山客が増加傾向で遭難者とその救助費用が増加していたり、山の設備の老朽化や、森林の整備などに結構お金かかっているんですよね。この金額を国庫支出金だけで賄い続けるのか?地方の税金だけで賄えるのか?かなり怪しいところです。特に年間30万人近い登山者が訪れる富士山では設備維持の為に入山料を徴収するか否かについて長い間議論がなされてきました。

  

鳥海山 七ツ釜避難小屋 2019年9月 秋田・山形

富士山保全協力金

日本を代表する山の富士山では、年間30万人を超える登山者が訪れ、山頂などにある6か所のトイレの維持費だけでも年間8000万円ほどが必要で、入山料を徴収し登山道の整備や施設の維持、ゴミのの処理などに充当することが検討されました。

 

富士山において、静岡・山梨両県により登山者に費用負担を求める検討が行われた結果、任意で1000円を徴収する「富士山保全協力金」が創設され平成26年からの実施が決定されました。2021年には富士山入山料義務化への動きも始まっておりますが、「入山料」については

 

お金を支払わないと自然地域でレクリエーションを楽しむことはできないのか。

 

我々国民はみんな等しく自由に利用する権利があるのではないか。

 

集めてお金の利用用途を明確にできないのか。

 

などと公的な自然地域への立ち入りにかかる負担金を対象として多く議論が重ねられています。

鳥海山 山頂 2019年9月 秋田・山形

皆が入山料を「払いたくなる仕組み」を作れないか?

私が思うにやはり入山料の支払いは行われるべきかと思うのですが、まずは完全に義務化するか否かの議論を進める前に、任意で支払いを行える仕組みを作ってしまえばいいでしょう。

 

先に述べた通り、義務化について様々な意見があり、決定に行きつくには時間がかかります。しかし任意に行える仕組みを作っておくと、現状山を愛する人は払ってくれて少しでも費用の足しになるでしょうし、義務化に至ってもシステムの以降が容易になるように作ればいいのです。

人は合理的に面倒なことはしない

人は面倒なことはしない。

 

公共の場の秩序を保つにはあるルールが必要です。しかし、時としてルールを守らない人がいる。それはなぜか?それはある意味その人が合理的に考えた結果、「面倒だしやりたくないからやらない」ということが理由の一つとしてあると思います。

 

強制される状況じゃない限り面倒なことはしたくないのは理解できる人間心理です。ならば、「やりたくない」に繋がる障壁を取り除いてしまえばいいのです。そして「やりたくなる」同期を提供できれば前向きに利用者から入山料を出していただけることになるでしょう。

 

ではどういったことがその障害を取り除くことになるのか?そしてどうすれば人が払いたくなるのか?どうすれば効果的に入山料の支払いを求められるのか?考えていきましょう!

 

グラウスマウンテン 2018年8月 バンクーバー

電子決済を用いた支払いシステムの提案

案の骨子:バーコード決済で入山料を徴収する

 

入山料の徴収はバーコード決済を始めとする電子マネー化仮想通貨、及びにトークンで徴収しましょう。(仮想通貨とトークンについては後程説明します。現状トークンは仮想通貨と同じものと考えて下さればと思います。)

 

何故電子決済か?

 

理由1:山で財布を出すのが面倒だし皆スマホ使ってる

 

理由2:無人でも盗まれる心配がない

 

理由3:登山道入り口以外の場所でも徴収を求めることができる

 

理由4:入山届・下山届とセットで支払うこともできる

 

発展1:トークンエコノミー構想に取り入れることができる

 

発展2:ブロックチェーン技術との組み合わせで、将来的にはふるさと納税のような任意の募金・減税の対処と成り得るか?

 

大きな理由については上記の4つで、また、それを発展させて自治体でどのように効果的にその入山料を運用していけるのかについてこれから書いていきます。

 

今日は筆者が眠くなってきてしまったのでこの辺にしましょう。次回、1つずつ詳しく書いていきます!

 

今回は行政に関する人々や自然を愛する人々に見て頂きたい記事です。美しい山が大切に守られ、これからも私たち人間を見守る存在であってほしいと本気で考えております。

 

では本日はこの辺で! 

 

へばな!

2018年9月 カナダ ロッキー山脈にて

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