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入山料について

「入山料」について考えよう!「電子決済」と「トークンエコノミー」の巻②

2021.08.02

おはようございもん。

 

今日は、間が開きましたが前回の記事の続きをお話ししましょう。 

 

前回、「入山料」について考えよう!「電子決済」と「トークンエコノミー」の巻① では整備されている山は維持費がかかっていることについて書き、長野県の例でかかっている維持費を見ました。山の維持費は自治体にとって大きな負担となっていることが分かりましたね。その後富士山保全協力金について山中の施設や登山道の維持のために今入山料の徴収が求められていて、支払いを求める動きが進んだことについてご紹介しました。しかし入山料の検討が必要なのは富士山だけではありません。多くの山にとって必要な事です。しかし常に人を置いて入山料を求めることは現実的ではないでしょう。ではどうするのか?ということでバーコード決済で入山料を徴収することを提案しました。その理由について今回は詳しく見ていきましょう。

 

電子決済を用いて入山料を徴収する

入山料の徴収はバーコード決済を始めとする電子マネーか仮想通貨、及びにトークンで徴収しよう、というのが前回提示したアイデアでしたね。そして何故電子決済か?ということで、以下の理由を上げました。

 

理由1:山で財布を出すのが面倒だし皆スマホ使ってる

 

理由2:無人でも盗まれる心配がない

 

理由3:登山道入り口以外の場所でも徴収を求めることができる

 

理由4:入山届・下山届とセットで支払うこともできる

 

発展1:トークンエコノミー構想に取り入れることができる

 

発展2:ブロックチェーン技術との組み合わせで、将来的にはふるさと納税のような任意の募金・減税の対処と成り得るか?

 

それら理由と合わせて、どういったシステムでの運用が望ましいのか、考えていきましょう!

 

何故電子決済で、そしてどこに設置するか?

私が思うに、山の数か所、人がスマホをいじるような場所にバーコードを記載した看板を置いておけばいいと思います。電子決済のメリットとして、財布を持ち歩かなくてもよいことや無人の募金箱ののように強奪される心配がないことがありますね。そして、その看板を置く場所がポイントです。

 

バーコードを書いた看板は、山の入り口、道中の休憩ポイント、山小屋、撮影スポット、山頂近辺に立てておけばよいと思います。理由としては人がスマホを出すタイミングに合わせて支払いを求めることができるからです。本当に全員が払ってくれるのか?全員が払う仕組みになり得るか?と考えると答えはNOですが、それとなく、「払いたくなる場所」に設置するのがポイントです。 

 

払いたくなるポイントってどこだろう?と考えてみると、「山で感動した場所」や「管理されている山の設備を享受した時」でしょう。山で感動するポイントってやっぱり、辛い道中を乗り越えて美しい景色を目の当たりにした時ですよね。撮影スポットに看板を置いておきましょう。この素晴らしい景色を享受できるのは山を管理してくれている人がいるから、ということを思えば、登山頻度が高い山への愛着がある人は撮影スポットで撮影を終えたのち、そのまま出しているスマホでバーコードを読み込んで支払いをしてくれるのではないでしょうか。

 

余談ですが、撮影スポットの看板から募金したら、アプリが起動して可愛いフレームが付いた写真が撮れる、とかあっても面白いかなと思います。

 

もう1つは、管理されている山の設備周辺でしょうか。というのも、山の道中には休憩の為に開かれ椅子が置いてある場所や、無人の避難小屋なんかがありますね。休憩中はスマホをいじる人が多いのと、その設備を利用したありがとうの気持ちでそのまま募金してくれる人いるのではないでしょうか?

 

私の体験として、以前山で夜を越したときに雪が降り冷え込んだ時、避難小屋で備え付けのストーブを使わせてもらったことがあります。とても寒い夜だったのですが、ストーブを設置してくれていたおかげで、灯油を用意してくれていたおかげで、なんとか夜を越すことができました。その温かさに感謝の気持ちとして支払いを行いたかったのですが、その場で支払いのシステムがなかたっためできずじまいでした。

 

また、ある日は登頂後の下山中、飲み物が尽きてしまい、そしてその日はフェーン現象で暑く乾燥し水分が不足してしまいました。避難小屋に備え付けてあったペットボトルの飲料水をいただいて喉を潤すことができた時もあります。

  

もっとも、これは自身が登山を初めた頃の知識がない時の話で、本来ならば事前に自分で備えておくべきことでしたが。近年登山が流行っていることもありビギナーも増えていることですので、そういった方々を助けてくれる設備の整備は必要でしょう。今まで山は地方自治体のお金と善意で支えられていましたが、そこを利用した人が簡単にお礼の募金や支払いを行える仕組みがあるべきでしょう。

 

アプリ化して、入山届と下山届とセットで送ろう

山の入り口に置いておくことで、入山届とセットで送ることができます。入山届も未だに紙ベースであったり、ネットからの入力が面倒くさい形式のものを目にします。バーコードを読んで、アプリで簡単に経路を入力し、そしてその時同時に入山料を払える仕組みなんてどうでしょうか。

 

登山差の情報を登録しておけば面倒な個人情報の書き取りはいらなくなりますので入山届を出さずに行方不明になるような人も減るでしょう。また、道中の別の支払いスポットを用意しておけば、支払いを行ったポイントをトレースして登山の足取りが分かるためまた遭難後の救助に役立つと思います。

 

そして、下山届の提出後が一番入山料を払いたくなるポイントなんじゃないかな?と思います。というのも、下山をした後=その山で得られる体験を楽しんだ後、なので、山での体験を良質なモノであったと考えた方は喜んで前向きに支払いに応じてくれることかと思います。

 

支払う人への報酬と動機付けは?

さて、前二項では、善意で動いてもらうという形で支払いを求めていましたが、それだけじゃ大半の人は支払いたくならないですよね。やはり支払いを行う人にもある種の報酬となる動機づけが必要となります。考えられる動機づけは以下の3つを考えています。

 

・ポイントやトークンでキャッシュバック

(「トークン」についてはのちで解説。今は仮想通貨や地域通貨のようなものと考えて頂いておっけーです)

  

・支払額に応じて限定グッズやサービスと引き換え

  

・「ふるさと納税」のように税金対策ができる

  

この3つのアイデアはそれぞれターゲティングが違うのですが、ポイントやトークンによるキャッシュバック登山頻度が少ないライトユーザーや観光客向け。グッズとサービスの引き換えは山間が深いヘヴィユーザー向け。最後の税金対策は、まだ制度としてできませんが、「山の維持の多くが市町村の税金で賄われているならそれもふるさと納税と同様に減税策として募金を募り運用できないのか?」という考えからきています。1つずつ見ていきましょう。

  

ポイントやトークンでキャッシュバック

これは山へ来る頻度が少ないライトユーザー向けの施策となっております。入山料を払ったら、そのお礼に買い物や主変施設で使えるポイントやトークンが発行される、というシステムですね。「トークン」ってなんぞや?という方も多いと思いますので、説明したします。 

  

「トークン」って?

  

トークン(token)とは直訳すると「しるし」や「象徴」、「証拠品」などの意味です。仮想通貨業界においては一般的に、「ブロックチェーン」技術を利用して発行された仮想通貨のことを指してトークンと呼びます。所謂「使える場所、交換対象などが限られる「代替貨幣」のこと」です。アマゾンや楽天のポイントなんかも、その限定的なコミュニティの中で使える代替貨幣のようなものなので、これらもトークンのようなものと考えられますね。

 

(トークンに関するブロックチェーンについても後日取り扱った記事を書こうと思います)

 

そしてトークンは、法定通貨や暗号資産(仮想通貨)と違い、「交換対象を限定した小さな経済圏を回すための使い捨ての貨幣」としての特性を持ちます。従ってトークンは法定通貨のような均質化させたくない経済圏、例を挙げると地方国卿自治体やショッピングモールなど、そのコミュニティー内でのみ機能する準貨幣として扱うことができます。

 

法定通貨のように均質な価値を定義するものではないので、「数値化しにくい行いに価値を与える」ことができます。小さなことで言うと、重い荷物を運んであげたりといった個人の行動や小さな善意なんかも数値で、価値を与えられるようになります。

 

発行されたトークンを観光地で使う

発行されたトークンを、訪れた山の周辺の観光地で代替貨幣として利用できる、というのはいかがでしょうか。例えば、そのトークン経済圏で温泉施設や宿泊施設で使えるポイントになったり、お土産屋さんや飲食店で使えたりしたら、消費者の消費行動も広がってその地域に落ちるお金の総量も増えるのではないかなと思います。「今保有しているモノやサービスをトークン化してコミュニティ上で価値の売買を行い新たな経済圏を構築していくこと」で「トークンエコノミー」と呼ばれる新しい経済圏が誕生します

 

(トークンエコノミーはブロックチェーンと深く結びついた技術です。これも今度別の記事で詳しく書きます。)

 

支払額に応じて限定グッズやサービスと引き換え

これは普段からよく登山を楽しむヘヴィユーザー向けのターゲティングです。山で募金した額に応じて限定グッズがもらえたり、どこかの保養地を無料で使えたりなんてしたらどうでしょうか。某m〇nt-bellとの限定コラボグッズとかあったら私も欲しいです。また、支払いを行ったポイントに応じてスタンプや記念の画像を貰えたりして、「ダムカード」のようにコレクターの欲を掻き立てるようなものなら喜んで使ってくれるのではないでしょうか。

 

「ふるさと納税」のように税金対策ができる

制度を整えることを考えたら実現も難しそうなんですが、これは我ながら面白いアイデアではないかと思います。山の維持費の多くが自治体から支払われるなら、ふるさと納税のように選んで募金できるようにすればいいんです。今後日本では全国的に地方自治体の収入は人口減少と共に減っていくことでしょう。地方の少ない歳入だけで賄われる設備の維持管理の助けとして、こういった利用料や買い物が即地方財源となるような仕組みがもっとあってもいいのではないかと思います。

  

おわりに:簡単支払いと対価が得られるアプリがあるとよい!

ここまで自身のアイデアについて長く書いてきましたが、結論として、簡単に支払いができてユーザーが対価を得られるアプリがあるといいのではないかと行きつきました!

 

支払いをもらうまでに、善意で支払いを行いたくなった時に簡単に行える仕組みが必要なことと、善意以外で支払いに及びたく成る動機づけが必要、と考えこの結論に至りました。

 

前提として、入山料の徴収は今後必要になってくることだと思います。山以外でも、人口減少に起因する歳入の減少によりそういったお金の徴収が必要になってくる物事は増えてくるんじゃないでしょうか。山に限らず、観光地では各所にバーコード決済での募金や支払いをそれとなく求める仕組みとかがあったら、少なからず使ってくれる人はいるんじゃないかと思います。しかもこれのいいところって、アプリ開発と導入にはお金がかかりますが、物体として必要なモノって看板とバーコードだけなんですよね。人件費を延々と払いながら徴収するよりも自動で行えるシステムを使った方が時代に即ししかも費用対効果は高いはずです。

 

そのうち本当にこのアイデアが実現しないかなぁと思います。起業家や行政の皆様方、トライしてみてください!そして実装された暁には「私が話していたやつだ!」と喜びます。ただそれだけです。 

 

しかし本当に、山もそうですが、日本の美しい景観が、それこそ数値化しにくい価値に適切な対価が支払われ、それらが守られて行ってくれれば嬉しいなと思います。

 

今回はこの辺で!読んでいただきありがとうございました!
 

へばな!


 

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